にかほ市の豊富な地域資源
鳥海山の山岳信仰から生まれた郷土芸能
概要
秋田県と山形県の各地には「番楽」と呼ばれる伝承芸能があります。
番楽の草創は明らかではないが、約400年以上前に鳥海山の山岳信仰のもと、修験者によって伝えられたとされる山伏神楽の一つです。
舞は鳥海山の御神事として奉仕し、天下泰平、国家安穩、武運長久、五穀豊穣を祈願するものです。
毎年お盆の時期を中心に各集落で公演が行われ、各集落に伝わる幕を背景に、太鼓、笛、唄などによる囃子に合わせて舞うのが特徴とされています。
特徴
にかほ市だけでも、釜ヶ台(かまがだい)、冬師(とうし)、伊勢居地(いせいじ)、小滝(こだき)、横岡(よこおか)と、全部で5つの集落に番楽が伝わっています。
演目数は各集落によって異なりますが、各保存会で約15演目以上は継承されています。
舞の種類は、式舞、武士舞、狂言舞などがあり、中には観客席に飛び込んで舞う演目もあります。神事というよりも集落の娯楽として昔から庶民に親しまれてきました。
以前は、番楽舞が他に広がるのを防ぐため、長男にしか伝承しないという習わしがありましたが、現在は二男、三男、女性、子どもまで広く継承されています。